ウガンダの赤ちゃん    
2011年04月25日  

 こんにちは。船井勝仁です。

 バーストラウマという言葉をご存知でしょうか。バーストラウマとは胎児期から生後3カ月ぐらいまでの出生時に受ける心の傷の事を言います。現代医学による生物としての人間性を無視した出産をすることや難産、そして母親の精神的なダメージ等がこのトラウマの原因となります。

 バーストラウマの弊害は、これらのことを経験することによって死の恐怖や疎外感を体験することで潜在的に自分の存在を否定するような情報を持ってしまうことにあります。そして、これが現実面や精神面で病気の原因になったり、人間関係のトラブルになったりしてマイナスな状況をつくりだしてしまっています。

 天外伺朗さんの1999年の「宇宙の神秘、誕生の科学」(PHP研究所)という本があります。天外さんは技術畑の人でソニーの元常務だった方です。この本の中には「フナイ・オープン・ワールド」のパネル・ディスカッションで産婦人科医のミッシェル・オダン博士と出会った話なども出てきますが、話しは1988年にソニーの創業者である井深大さんの箱根の別荘に招かれて、そこで聞いた井深さんの話から始まります。

 その話の中には、井深さんが晩年に積極的に取り組まれた幼児教育の話がたくさん出てきました。例えば、新体道の青木宏之さんが行った実験のことも紹介されています。新聞紙を丸めて後ろから打ちかかると、3歳児は100%よけることができるそうですが、5歳児になると半分ぐらいしかよけられなくなり、7歳児になると全員がよけられないそうです。

 井深さんは「どうも人間というのは、赤ちゃんの頃はみんなそうした能力を持っているらしいが、だんだん大人になって言語能力を獲得するにつれて、いわゆる超能力に類するような力が衰えてしまうのではないだろうか」とおっしゃったそうです。そして、それを衰えないようにすることが井深さんの幼児教育の目的だったのです。

 そしてマミー・キャッチングというゲームのことを紹介していました。これは井深さんの幼児教育を1年間受けられた2歳児と3歳児が行うゲームです。広い教室の片側にお母さん達が適当に並び、反対側に目隠しをした子供たちが並びます。そして、よーいドンの合図で子供たちがお母さんを捕まえにいくゲームですが、なんと全員が間違いなく自分のお母さんの所に行き着くのです。

 そして、私が一番興味深く読んだのはウガンダの赤ちゃんの話でした。西洋文明が入って来る前のウガンダでは、母親は自分一人で子供を産んで必要な処置も全部自分でやりました。そして赤ちゃんは母親が首から吊るした三角巾のような帯の中に裸のまますっぽり収められ、仕事中も眠る時も、四六時中母親の胸から離れることなく育てられます。

 母親は隔てるもの布一枚の肌の触れ合いで赤ちゃんの気持ちをいつでも感じとり、何をして欲しいかをいつも理解しているのです。そうすると赤ちゃんのおしっこやうんちをしたいという気持ちも100%理解できるので、布を汚してしまうお母さんは、ほとんどいませんでした。そんなウガンダの赤ちゃんは48時間でお座りができ、人の顔を見るとにっこり微笑むことができました。また、6,7週間でハイハイができ、自分ひとりでお座りができたのです。

 しかし、文明が入って来て病院で子供を産むようになると、私たちがしっている普通の赤ちゃんになってしまいました。そのウガンダはにんげんクラブの全国大会で講演していただくことになっている鬼丸昌也さんがやっているテラ・ルネッサンスというNGOが取り組んでいる子供兵の問題を抱えている国になってしまいました。世界中が微笑ましいウガンダの赤ちゃんの習慣を取り戻してバーストラウマと無縁の社会を築けば、すばらしい世の中ができていくのかもしれません。

 
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